ぬらりとした所以

6.28.2017

奈佐健臣『佇む朗読者 日記』

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2017年7月2日

泉鏡花「夜釣」、初出時の表題は「鰻」でした。
「夜釣」は所々改訂されいます。読み比べてみると、「夜釣」のほうがよっぽど怖い。 今も「鰻」を読み返してみました。が、不安な情景描写と、主人公の女房の不安心の募っていく様が、「夜釣」のほうがよっぽど怖い。 それに「夜釣」は、『これは、大工、大勝のおかみさんから聞いた話である。』と、いかにも百物語めいた始まりになっているのです。もしかしたら、鏡花はいつかの[怪談会]で話したのかもしれません。「夜釣」を語りたくなった所以です。


泉鏡花「星あかり」/旧田中家住宅



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